NEW POST

予告/美術家たちのオリジナル装幀展ーその1

開催直前!ギャラリーリブ・アート16周年記念
本を愛する美術家たちのオリジナル装幀展 
3/11(木)〜22(月) ※17(水)定休 ☆詳細はこちらから…

本を愛する美術家たちが、美にこだわってそれぞれの愛読書の為に特別に装幀、また読書グッズを制作して下さいました。手法は違っても、それぞれの個性・感性が光り、まさにオリジナルな一点物です。今回の装幀展に出品された作品ファイルと作家からのメッセージを、これから少しずつご紹介しましょう。ご紹介しきれない作品も多く、興味を持って下さった方はぜひ会場にお越し下さいませ。

_____________________________________
荒川尚也:ガラス作家
------------------------------------------
f0106896_17151845.jpg[1]ガラスの小筥「完訳 聊斎志異」〈第2巻〉蒲 松齢 /著, 柴田 天馬 /翻訳) (角川文庫)

<作者メッセージ>
夜、眠りに入る前に必ず本を読む。それは昼間の諸事を夢の中まで持ち込まない為。聊斎志異は高校生の頃から枕元に置いている本だ。井上洋介氏の挿し絵がいい。

[2]ガラスブックエンド

_____________________________________
飯田みどり:彫金師
------------------------------------------
f0106896_17232071.jpg[1]「脳と魂」養老 孟司 著  玄侑 宗久 著 筑摩書房

<作者メッセージ>
数年前より茶道(遠州流)を始め、その根底に流れる禅に大変興味を持つようになり、又、心と脳の関係等も以前より注目しておりました。この本は、その両方を深く学んだお二人の対談であり、大変面白く新たな発見が沢山ありました。

_____________________________________
生嶋順理:版画家
------------------------------------------
f0106896_19335740.jpg[1]「名人伝ー李陵・山月記・弟子」中島 敦 著  角川文庫

<作者メッセージ>
読書好きな兄が、明治生まれの父の書棚から、読書嫌いな私に、短編のこの本を選んでくれました。以来数回読み返し、中でも「名人伝」は、絵を学ぶようになった自分にとって印象深いものになりました。



[2]「蛍川・泥の河」中島 敦 著  新潮文庫

<作者メッセージ>
自分の幼年期と土地は異なりながらも、時代背景が重なり、読みながら想い浮かぶ風景が懐かしく登場する人物達の思いに深く感じ入る2編です。



_____________________________________
井崎正治:木工作家
------------------------------------------
f0106896_2057593.jpg[1]「家出のすすめ」寺山修司 著 角川文庫

<作者メッセージ>
古い話というより、若い頃の話と言ったほうが、自分にとって都合のよい説明になるが、人並みにもの思う時期、本屋でなにげなく手にした寺山修司の本が「家出のすすめ」であった。臆病な私はこの本をきっかけに寺山作品のいくつかを恐る恐る読んでは鳥肌をたてたことを思い出す。今となっては懐かしい話である。未だに家出できず、帰る場所を確保し、楽な生き方ばかりに理由をつけて生きている。


_____________________________________
石井 喜久子:画家
------------------------------------------
f0106896_2033174.jpg[1]「吾輩は猫である」夏目漱石 著 岩波文庫

<作者メッセージ>
装幀の仕事は、魅力的で絵を描くよりも楽しそうだと常に感じていましたが、いざとなると私に選びたかった本は、単行本にはなく、すでに廃版になっていました。
 そこらからの苦労といったら、もう3ヶ月近く装幀のことばかりが重くのしかかり、とんでもない年末年始になってしまいました。
 しかし、今となっては、本当にすばらしい本に出会い、今後の読書の楽しみも広がり、このチャンスを与えて頂いたリブ・アートさんに心から感謝しています。今後の読書人口が増え続け、ますます世界をかけめぐる本の活躍を祈ります。


[2]「悩む力」 妾 尚中 著 集英社新書


_____________________________________
今井 庸介:銅版画家
------------------------------------------
f0106896_225628.jpg[1]「珊瑚」新田次郎 著 新潮文庫

<作者メッセージ>
山岳小説の多い新田次郎作品の中では、珍しい海もの。作家の存命中からのファンですが、これは没後に読みました。素直に感動しました。刻々と変化する天候描写は彼の真骨頂、大変ドラマチックです。読後、宝石店に珊瑚を見にいったことを憶えています。当時私は美大生で魚をモチーフに銅版画を描いていました。装幀やジャケットデザインにも興味がありました。彼の文庫版表紙はイメージショットっぽい写真が多く、内容とのズレを感じていました。この展覧会の話が来たときは、すぐにこの本が浮かびました。
 「珊瑚」そのままですが、この話はこれでいいのです。桃色か赤の絵にしようと考えていました。多分に、男うけのいい新田次郎ですが、これだけは桃色がいいのです。


_____________________________________
遠藤 裕人:陶芸家
------------------------------------------
f0106896_21195070.jpg[1]「羊をめぐる冒険」 村上 春樹 著  講談社文庫
       本箱

<作者メッセージ>
もう三十年近く前になるでしょうか、村上春樹の『羊をめぐる冒険』をむさぼるように読んだことを思い出します。とても面白かったとしか覚えていません。友人に勧められて読んだのか、記憶もあまり正確なものとも言えないぐらいに、時が過ぎさったことを思い知らされます。
確か、『僕』と友人『鼠』との青春・冒険綺談だった記憶しています。

本書の後に3部作の2作目の『1973年のピンボール』、1作目の『風の歌を聴け』とさかのぼって読んだと記憶しています。
もうすっかり、詳しい内容は忘れてしまいましたが、主人公が物語の最後で、神戸の須磨の海岸とおぼしき場所で泣く場面はなぜか覚えています。また、主人公がjazzを聞きながらビール(おそらくクアーズとおぼしき輸入の)を飲み、ビーフカツレツサンド食する、小戯れたスタイルのかっこよさに意味もわからず憧憬したものです。
当時美術家を自認してやまない、貧乏で自意識過剰の僕は、薄っぺらな憧れだけで、かなり気取って、ハムサンドを国産の安酒で、胃に流し込んでいたことを思い出します。たしか、安アパートの窓からは小田急線の電車がみえていました。
ま〜、なんと言う存在の軽さでしょうか。
なんて、未だにやってることは、当時とあまり変わっているとは思えませんが、若気の至りとお許しいただける頃の、青春の一冊でした。
この後、短編集『中国行きのスロウ・ボート』読後から、久しくご無沙汰をすることになりますが、地下鉄サリン事件をあつかったドキュメント、『アンダーグラウンド』といった大変な労作で再び出会うことになります。

[2]「コインロッカー・ベイビーズ」 村上 龍 著  講談社文庫
       ブックカプセル

[3]「常用字解」 白川 静 著  平凡社
       どびん・ゆのみ

[4]ブックエンド



_____________________________________
大林 陽子:クラフト作家
------------------------------------------
f0106896_2047822.jpg[1]「市塵」(上)藤沢周平 著 講談社文庫

<作者メッセージ>
読みかけの本とメガネとコインとキー。
春風さそわれて散歩に出掛けたベンチで…
立ち寄った喫茶店の片隅で…
ハードカバーにショルダーひもがつけられたら…
そんな発想から生まれたものです。


[2]柿渋和紙ブックカバー
[3]生成り純楮紙ブックカバー
[4]柿渋鉄媒染染純楮紙ブックカバー
[5]純雁皮紙ブックカバー
[6]牛革ソフトブックカバー
[7]牛革ソフトブックカバー(薄)

_____________________________________
越智 雅:切り紙作家
------------------------------------------
f0106896_20583825.jpg[1]「花はふしぎ」岩科司 著 講談社BLUEBUCKS

<作者メッセージ>
花の色を見る眼が違ってくるのは、いいことなのか、よくないことなのか、問題だ。


[2]「雪」中谷宇吉郎 著 岩波文庫
[3]切り紙模様栞
[4]切り紙模様ブックカバー


_____________________________________
鴨頭 紫朗:造形作家
------------------------------------------
f0106896_21574868.jpg[1]「人間人形時代」 稲垣足穂 著 工作舎

<作者メッセージ>
以前から、使われなくなった細工の良い家具や調度品を作品として再生したいという思いがありました。又、お気に入りの拾ったガラクタや集めたパーツを何かに生かしたい。そんな願望が、今回の「本の装幀展」の作品として形になりました。

[2]「オイスター・ボーイの憂鬱な死」 ティム・バートン 著 

[3]「毒薬の手帖」 澁澤 龍彦 著 




_____________________________________
鴨頭 みどり:陶人形作家
-----------------------------------------
f0106896_22105594.jpg[1]「ブリキの太鼓」ギュンター・グラス 著 高本 研一 (翻訳) 集英社文庫 ×3シリーズ

<作者メッセージ>
確か初めて読んだのは20代の頃。奇妙で不思議な世界が何故か手放せず、時々読みます。3部で成り立っていますが、1部が気に入っていて、2部3部を読みながらも、何故か1部に戻ってしまいます。今回のような形でもの作りをしたことがなかったので、おもしろい経験でした。

[2]「鳥 陶箱」



_____________________________________
木下 恵介:版画家
------------------------------------------
f0106896_2219897.jpg[1]「街道をゆく30 愛蘭土紀行 1」司馬遼太郎 著 朝日文芸文庫

<作者メッセージ>
文化庁の在外研修でアイルランドに行ったときのこと、坂の上の雲繋がりもあり、司馬遼太郎の本を選びました。間接的に松山に関係しているかなと思います。アイルランドは緯度が高く、ヨーロッパの外れに位置していることから、荒涼として寒い国というイメージがありますが、実際は緑の嶋と言われるように緑が豊かな国です。国旗の色がグリーンのところからも想像できるかもと思います。女学生の制服もグリーンなんですよ。ですから僕の中のアイルランドのイメージは緑なんです。そこから緑と植物を使った装幀を考えました。

[2]「虎よ、虎よ!」ハヤカワ文庫 アルフレッド・ベスター Tiger!Tiger! Alfred Bester




_____________________________________
<その他の更新履歴>
☆「今週の展覧会」に黒野丈治作陶展の情報をアップしました。ご覧下さい。
文殊理さんの小鬼達もショップにて販売しております。

_____________________________________
by live-art | 2010-02-26 13:21 |  ー10年装幀展 | Comments(0)

スタッフY田の展覧会日記


by live-art