松山の画廊 ギャラリーリブ・アート最新ニュース

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予告/美術家たちのオリジナル装幀展ーその3

開催直前!ギャラリーリブ・アート16周年記念
本を愛する美術家たちのオリジナル装幀展 
3/11(木)〜22(月) ※17(水)定休 ☆詳細はこちらから…

本を愛する美術家たちが、美にこだわってそれぞれの愛読書の為に特別に装幀、また読書グッズを制作して下さいました。手法は違っても、それぞれの個性・感性が光り、まさにオリジナルな一点物です。今回の装幀展に出品された作品ファイルと作家からのメッセージを、これから少しずつご紹介しましょう。・・その3
ご紹介しきれない作品も多く、興味を持って下さった方はぜひ会場にお越し下さいませ。

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スミダヒロミ:版画家
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f0106896_20222928.jpg[1]「家守綺譚」梨木 香歩 著 新潮文庫

<作者メッセージ>
主人公も好きだが、飼い犬のゴローのファンになってしまった。あるときは主人公よりもたよりにされているゴロー…ということで、制作にとりかかったわけであります。

[2]「ないもの、あります」 クラフト・エヴィング商會 著 ちくま文庫



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高橋 千裕:装幀・造形作家
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f0106896_20284455.jpg[1]「ウォーレスの人魚」 岩井俊二 著 角川文庫

<作者メッセージ>
1997年の秋、ウォーレスの名がついた小説が刊行された。ダーウィンに先んじて進化論を提唱したと言われる生物学者であり、著者が気鋭の映画監督ということもあり、活字からどんな映像を浮かばせてもらえるのか愉しみに読み始めた。
 “人魚”というテーマそのものが語りかける象徴的イメージと人類誕生の不可思議があいまって、ミステリアスで神秘的で感傷的でそして爽やかな印象が読み終えても脳裏から去らずにいた。
 以来、どこか哀しくて美しい“ウォーレスの人魚”の像が、“白鳥”を舞うマイヤ・プリセツカヤに、“ボレロ”を舞うジョルジュ・ドンに重なり、幾度かの試みを経てこのような像として定着した。この装幀カバーは部分手彩と、手製のため部分の相違はあるが限定2部を制作した内の1部でもう1部は手元にない。制作の方法は、原形を造形した後にデジタル撮影して画像構成したものである。“Pas de Deux” of Moonlight in an Ecstasy of Joy(歓喜する月光のパ・ド・ドゥ)と題してリトグラフ作品にもしている。 


[2]『人生の親戚』大江健三郎 著 新潮文庫
[3]「ウォーレスの人魚」 原画


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常田泰由:美術家
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f0106896_20425233.jpg[1]「ノラや」内田百間 著 中公文庫

<作者メッセージ>
ある夜、突然出ていってしまった猫のノラ。ノラを思い、毎晩涙する老人内田百けんはちょっとへん。日記形式で綴られる捜索、様々な情報に一喜一憂する百けんの日々はブログのよう。現代ならば大人気ブロガーだったかも。




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戸田 勝久:画家
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f0106896_20562069.jpg[1]「子規を語る」河東碧梧桐 著 岩波文庫

<作者メッセージ>
新傾向俳句作者、書家として著名な碧梧桐が語る師・子規の姿です。
私は碧梧桐の書を愛しています。
時代を超えた造形を持った書はいつ観ても新しくはっとします。
この初版本の装幀にはすべての本に碧梧桐の肉筆で「子規を語る」と書されています。
大部数の本に手で文字を書いた碧梧桐の執念にはかないませんが、
私の「子規、碧梧桐賛」というカバーです。

[2]「一千一秒物語」稲垣足穂 著 新潮文庫

[3]「夢十夜」夏目漱石 著 
[4]「芭蕉紀行文集」松尾芭蕉 著 
[5]「尾崎放哉句集」尾崎放哉 著 
[6]「猫町」萩原朔太郎 著 



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中村 桂子:版画家
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f0106896_2135798.jpg[1]「スティル・ライフ」池澤夏樹 著 中公文庫

<作者メッセージ>
 相模湾を一望できる小さな海辺の町と、月山を遠くに臨む蔵王の麓を行ったり来たりしている。
片方にいればもう一方での暮らしが幻なのではないかと思うことがある。そう思う瞬間、何かがいつも小さく軋む。
ある日、降りしきる雪を仰いで眺めていたら、自分が空に向かってどんどん上昇してゆくような錯覚に囚われた。そして空も地上も何もかもが白く覆い尽くされてゆく。
無数の雪の中を私はどんどん上昇し、浮遊していた。その時、私は安らかな気持ちであった。
それはどこでもない、ただ宇宙の中に存在する安らかさであった。
等身大の私と宇宙的な私がそこにはいたのかもしれない。
「ぼく」も体験したそのことを装丁してみたいと思った。
固い金属によって雨崎の地図を作った。その中にしなやかな紙の束が収められている。
降りしきる雪を纏って。中にも無数の文字が降り続いている。
 


[2]「高丘親王航海記」澁澤龍彦 著 文春文庫


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中山 加久子:画家
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f0106896_21132484.jpg[1]「解夏」さだまさし 著 幻冬舎文庫

<作者メッセージ>
「まっさん」ー私は友達でもないのに「さだまさし」のことをこう呼んでいる。人生の岐路に立った時、彼の歌声と言葉に何度も涙した。彼の言葉の中には音楽が流れており、音楽なかから言葉が生まれている。それはやがて笑顔へと繋がっていく。人知れず積み上げられた努力から生まれた明るい笑顔、「まっさん、ありがとう!」


[2]「もう愛の唄なんて詠えない」さだまさし 著 幻冬舎文庫



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西山 千代子:陶芸家
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f0106896_2124980.jpg[1]「ブックエンド」

<作者メッセージ>
幼稚園でもらっていた“キンダーブック”を覚えている人はいますか?その中に「ねむい街」というおはなしがありました。おじいさんの背負った袋から砂がこぼれて街のすべてがねてしまうというところ、幼な心に衝撃を受けました。赤い色でねむる街を表現していました。あの絵ももう一度、みてみたいな。おもえば私にとって、はじめての本との出会いはここだったかなと思います。


[2]「陶筐」


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野本 久美:染織家
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f0106896_2240881.jpg[1]「日本の染織 第二集 縞・格子」安田英樹 著 青玄舎

<作者メッセージ>
縞着尺の布で「縞・格子」の本を装幀したく作りました。
布の染料は、一位(赤茶)、藍(灰汁建)、くちなし(藍と共に緑)、コチニール(赤紫)
材質は、絹糸で機にかけて織りました。

[2]ブックカバー:パッチワーク麻布
[3]ブックカバー:麻藍染編みカバー
[4]ブックカバー:ビーズ付麻布カバー
[5]フエルトストール:「わにさん どきっ はいしゃさん どきっ」五味 太郎



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畑田 あゆ美:学生
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f0106896_2136448.jpg[1]「すいかの匂い」江國 香織 著 新潮文庫

<作者メッセージ>
いつしか、心の片すみにそっとしまわれてきたたくさんのものたち。小さくて鮮明な、味や温度の記憶。人はいつも何かに心動かされ、「今」という瞬間に生きてきる。




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林 孝彦:版画家
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f0106896_21444557.jpg[1]「歓喜する円空」梅原猛 著 新潮社文庫

<作者メッセージ>
私はポロックやウォーホールでありたいと思ったことはありません。ピカソになりたいと思ったことはありません。スーパースターへのあこがれは、もっぱらポップミュージックスターやスポーツ選手に向けられていた私です。自分の生き方として美術との関わりが増していくにつれて、円空という人が、私の指針でありました。円空について、初めての手頃の本が出版されました。
  


[2]「アイヌ民譚集」知里 真志保 編訳 (岩波文庫 )
[3]「死者の奢り・飼育」大江健三郎 (新潮文庫)
[4]「カムイ・ユーカラ アイヌ・ラッ・クル伝」 山本多助(平凡社ライブラリー)
[5]「家出のすすめ」 寺山修司 (角川文庫)
[6]「寺田寅彦随筆集 第4巻」 寺田寅彦 著 /小宮豊隆 編 (岩波文庫)
[7]「老子」小川環樹 訳注 中央公論新社
[8]「アイヌ神謡集」知里 幸恵 編訳 (岩波文庫) 
[9] 銅版画しおり12枚



by live-art | 2010-03-02 21:52 |  ー10年装幀展 | Comments(0)