季節を感じさせる風が子供の頃から好きだった風に思いを託し、吹いてくる風を待つ言葉ではなんとも伝えられない想いを描くことができないものか...(森本記)
宇和島出身の画家・森本猛さんの6年ぶりの個展が始まりました。北室には100号の大作も連立。
今にも雪が降りそうな空模様のことをいう<雪もよい>という季語がありますが、北室の作品は主に「風待」というタイトルの作品で構成されています。風の気配に心を寄せて、行く手を示す風を待つ
色や線や塊や肌合いや.....絵画を構成する様々な要素が画面のなかでひとつになって響き合うまでを待つ
よい風が吹いてくるのを待つ。
これまででもっとも熱のこもった個展になっています。
こちらは最新シリーズ。「風をつかまえて」うまれたての青葉のようなあかるい萌黄色。
大きなにほんの触手が捕まえたものは?
細やかに作り込まれたマチエールの風合い、
無為にさえみえる細い細い線の集積がパフパフタした空気を生んで。
空気のような、気配のような、エネルギーのような。
目にはみえないけれど確かに存在するなにか。
小品の秀作もたくさん。
美しいオリーブグリーンの「ゆらぎ」。
春の光はこんな風にとろーんとのどかに溢れてゆくのかも。
南室は明るい光を取り入れて。
お山のような畑のような雲のような雨のような島のような....ゆったりとしてのどかなある日。
森本さんは家庭菜園もお持ちだとか。
生まれ故郷の宇和島のノスタルジックな原風景だったりするのかも....
なにやらひとの気配が
美しい黒。
ひとやすみ、「ひとやすみ」。