新居浜市在住の大西壮一郎さんの個展。昨年8月の井上努さんとの二人展に引き続いての展覧会。(http://liveart25.exblog.jp/m2006-08-01/#2979070 ※8月3日の記事をご覧下さい)フロアを覆う黒い色面は、つやつやのペンキで着彩されています。焦点の持って行き場のないこの色面の前に佇めば、(ペンキが光を反射するため)それを見ている自分自身の影や、フロアの奥行きがおぼろげに映し出されます。黒い平面を見ているはずが、”黒い”、”平面”の、向こう側にある別の領域を見ているようで不思議。

「『自然はいい』というような調和的な世界観が読み取られるような場所に、僕たちはむしろ、一種の狂気の前兆を感じる。秩序とその破綻が同じ地点で混在し、進むことも退くことも知らず、そこで立ちすくんでいる。
外の思考と呼ばれるものの、何歩か手前の状態で、僕は地を這い回りながら、『どうも、そうなっているようだ』を探る。そしていかなる共同性とも結びつくことなしに、強度を経験したいと思う。」

「『<無意識>は言葉によって構造化されている』という仮定が<自分>において、どのような姿をもって立ち現れて行くのか。それが見たいので制作している。」
大西壮一郎
1963年生まれ 和光大学人文学部芸術学科卒業