松山の画廊 ギャラリーリブ・アート最新ニュース

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カテゴリ:今週の展覧会( 621 )

講演会のご報告

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3日(土)夜、木下晋氏の講演会を催しました。
講演の内容をご報告できたらよかったのだけれど、講演後のワインパーティの準備に追われて、結局ひとことも聞けずじまい。残念(涙)。常に現場にいるのに、こういう時に腰を据えていられないのがスタッフのつらいところ。ま、それが仕事なので、仕方がないですね(涙々)。

・・・でも。でも。うーむむ。やはり無念ダ。
往生際が悪い店員だと思われるかもしれませんが、、、、

もしも、このブログを見て下さっている方の中で、講演を聞きにいらして下さった方がいらっしゃいましたら、是非、コメント欄に講演のご感想などお聞かせください!お願いします!



f0106896_16261182.jpgもうこれ以上にはないというくらいに、塗りこめられた鈍色の闇の深さ、美しさ。既にもう「銀色」といってもいいくらい、スポットライトを照り返すくらいに光沢を帯びた闇だ。銀色の闇の底に照らし出されているのは臨終の小林ハルさん。写真ではわかりにくいが、ハルさんの背後の闇には、病室の風景が刻まれている。全面を濃い鉛筆で塗りこめた上に、更に芯の硬い鉛筆で描かれているので、実際の作品を見ても、遠目には、それを確認することができない。
 ハルさんは、生まれつき全盲の人だったが、幼少時の母親の厳しい躾のおかげで、針に糸を通すことも縫い物をすることもできたのだという。色という概念のない世界の人であるはずのハルさんの言葉に、木下さんは豊かな色彩を感じるのだという。失われた視覚を補うために、研ぎ澄まされた別の感覚で、ハルさんは「色」というものの本質を捕らえていたのではないか、木下さんはそう仮説する。背後に描かれた病室の風景は、もしかしたら、私達には想像することもできないほどに研ぎ澄まされたハルさんの感覚が感受した「気配」だったのかもしれない。
 右の作品「105年の想い」は、ハルさんが亡くなられる約1週間前に完成された。闇の中に残された刻み込むようなえんぴつの強い筆致が切ない。

by live-art | 2006-06-09 17:23 | 今週の展覧会 | Comments(0)

続・木下晋展

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物語が消えていく。

木下さんの描くハルさんの絵に見入っていると
ハルさんが、そして木下さんご自身が背負ってきた現実の<物語>が、
深い深い静寂の中に消えていくような錯覚にとらわれる。
しかし、その静寂は私が頭の中で反芻する物語よりももっとリアルな感触を持って、
私の中に響いている。物語は消えてなくなってしまったのではなくて、
静寂に姿を変えたのかもしれない。

人間の本質とは何なのか。
ふと、それを思う。

木下晋氏、先ほどギャラリーに到着されました。
”猫が笑ったような”笑顔が、とてもチャーミングです。
実生活でも「猫をきらすとダメ」なんだそう(笑)
...ますます素敵だっ。

木下さんは、今日と明日、ギャラリーにいらっしゃっています。
今日18:00〜の講演会も是非、お立ち寄りください。
by live-art | 2006-06-03 12:34 | 今週の展覧会 | Comments(0)

6/1(木)〜12(月)<企画展>木下晋個展

f0106896_17242196.jpg梱包の包みをほどき、作品が現れた瞬間、驚き、感激してしまいました。3年ぶりの木下晋氏の個展、本日より始まりました。木下さんは、パレットの色を選るように、濃淡20段階の鉛筆を使い分け、生の深淵に迫るような人物画を描くことで名高い作家。木下さんは、壮絶な人生を歩み、心に深い闇と、それと裏返しの確かな光を秘めた人物をモデルに多くの作品を描かれています。中でも、代表作として圧倒的な存在感を放つのは、日本最後の瞽女として人間国宝に認定されていた小林ハルさんを描いた一連の作品です。そのハルさんも残念ながら2005年の4月、105歳の長い生涯を閉じられました。f0106896_1724508.jpg 木下さんの描かれるハルさんの表情には、「奢り」がありません。社会福祉の概念なんてまだなかった時代の片田舎に、盲目に生まれ、瞽女として虐げられながら、(時にはシャーマニックに祭り上げられもしたという)壮絶な運命をたどった女性であるのにも関わらず、木下さんのフィルターを通して描かれたハルさんには<自己憐愍>という「奢り」すら感じられないのです。そして、木下さんの、目を見張るような緻密な筆致の集合も、その常識外れの才や執念に溺れることなく、ぶれることなく、ハルさんが亡くなる直前まで、その姿が宿す静寂を描き切っていました。

「生の深淵」という言葉が今更ながらに蘇ります。”次生まれてくるならば、何に生まれてきたいかと”木下さんがハルさんに尋ねた時、ハルさんはこう答えたそうです。”例え、虫ケラでもいいから、「目明き」に生まれたい”。


南室にて木下さんが挿絵を担当された絵本「ハルばあちゃんの手」(福音館書店刊)の原画展を開催しています。また、6/3(土)夜6:00〜からリブ・アート北室にて講演会「手に想う」を開催致します。是非、ご参加下さい。(http://liveart25.exblog.jp/i3)

by live-art | 2006-06-01 17:32 | 今週の展覧会 | Comments(0)

5/25〜5/30  まいまい展

f0106896_1642019.jpg斉美高校芸術科時代のクラスメート11名が集い、2年に1度、定期的に開催している展覧会。かたつむりのようにあせらず、楽しみながらのんびりマイペースで楽個性豊かな作品を作りつづけていくこと、がまいまい展のモットーです。

f0106896_16491315.jpgf0106896_16485745.jpgまいまい展は、各地の大学を卒業した後に、地元に戻ってきた同級生7人で始めたのが最初だったのだとか。今年でなんと18回目。年月にするともう30年以上。大学卒業後と言えば、モラトリアムを終え、これからが人生の本番!というタイミング。「当初はこんなに続くとは思っていなかった」「皆とまいまい展をすることが、毎回、本当にたのしい」
f0106896_1682762.jpg普段はそれぞれの海を航海している船が、お互いの無事を確かめあうために2年に1度落ち合う港。そんな感じでしょうか。出品作品は、水彩画・陶芸・ボード織・刺し子・日本画・油彩・野蚕(まゆ)の灯etc...今回は、大西輝美・品川綾子・西原菅子・櫨川公子・藤本節子・升田佐栄子・松永愛子・三瀬瑞穂・光田陽子・三浦ひろみ・吉安まり子 以上11名の方が出品されています。
by live-art | 2006-05-25 17:16 | 今週の展覧会 | Comments(3)

5/18〜23 北/布花達のおしゃべり展  南/藤井哲信ガラス展

北室:布花たちのおしゃべり展vol.4〜馥郁と咲くばら〜

f0106896_16101149.jpg北室は今、お花畑と化しています!「アトリエ花葉菜」を主催する布花作家・加藤直子さんと、教室の人達による<布花たちのおしゃべり展>。今回で、もう4度目の展覧会。今回はウエディングのスチュエーションを意識したコーナーも。

f0106896_16534589.jpgf0106896_173448.jpgこの繊細で優しい布花を作るのにかかる手間は相当のもの。小さなつぼみの一つ一つ、花びらの1枚1枚、葉っぱの1枚1枚を思う形に切り抜いて、着彩していくところから始めるのだとか。淡くやわらかで暖かく、日だまりの甘い匂いを思い起こさせるような加藤さん達の布花は、本当に息をしているみたいに豊かです。

f0106896_17303759.jpg常時、布花作りの体験ができます。ちなみに写真一番手前が加藤直子さん。私のような小娘が(これも大抵図々しいか(苦笑))言うのもなんですが、いつ見ても可愛らしい女性。しかし、沢山の生徒さんに慕われて、これだけの展覧会を続けて来られたそのパワーとバイタリティには脱帽です。可憐なだけではできませんって!



南室:<企画展>藤井哲信ガラス展

f0106896_17595150.jpg徳島県在住のガラス作家藤井哲信さんの2年ぶりの個展。哲信さんの制作は、可憐なレースガラスと深いブルーが印象的。青いガラスはよくあるけれど、こんなに落ち着いていて深みのあるブルーにはめったに出会えません。(※参考 http://liveart25.exblog.jp/i3)

f0106896_18195922.jpgこの魅力的なブルー、実は「阿波藍の藍色」をお手本にしているのだそう。お話を伺ったところによると、哲信さんのお母様は藍染め作家さんなんですって。藍色は心にしっくり馴染む色。静かにゆっくり浸透していく色。それだけにきっと微妙で難しい。幼い頃から、藍の美しさ、深さに触れて育ってこられた哲信さんだからこそ出せる色なのかもしれません。ベネチアングラスの手法の一つ、レースガラスの繊細さにもため息が出ます。

f0106896_18491540.jpgほか、ユーモラスな花器やビアグラスもお見逃しなく。哲信さん独特の、ちょっと変で楽しい形。私はすでにはまってしまっています.....


by live-art | 2006-05-18 17:56 | 今週の展覧会 | Comments(0)

5/11〜5/16 林千愛里個展「女たち」

f0106896_1529129.jpg松山市在住の画家・林千愛里さんの個展です。今回は、発表を始めてから4年間で描き溜めた作品を大作・小品併せて展示しています。

f0106896_14211919.jpg千愛里さんは、自分自身の内面を絵の中の女性の姿に投影して描いてきたそう。メインの画材は、色鉛筆。シンプルで力強いフォルム。色に重さを与えるような強い筆圧で、全面余すところなくコシコシと塗りこめて描かれた大きなパネルを見ていると、その思いを封じ込めるように無心で紙に向かう千愛里さんの姿が浮かんできます。(右の作品:タイトル「明日へ」)


f0106896_14493845.jpg他、小さな額に入った可愛らしい小品も多数展示。額装は千愛里さんが勤務する額師風雅のもの。左の写真は、大らかでガッツがあってかつナイーブな、自分の描く作品そのもののような千愛里さん。

by live-art | 2006-05-11 15:13 | 今週の展覧会 | Comments(0)

06/5/4〜5/9 五人陶展「五感」

f0106896_18302759.jpg平均年齢32歳。砥部に集う新進の若手陶芸家による5人展。これからの砥部は彼らの手に委ねられている!?昨年の砥部焼伝統産業会館での「SPROUT」展に引き続き、2度目のグループ展となります。作品:左から右へ/岡田智藍・勝部亮一・西岡孝泰・濱岡健太郎・篠原元郁。


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by live-art | 2006-05-04 18:37 | 今週の展覧会 | Comments(0)

4/20(木)〜25(火) 南:くつなまい個展 北:日比観琢個展



【南室】  くつなまい展 -色量の散華-

f0106896_1229081.jpg松山市在住のくつなまいさんの個展。画面の中をめまぐるしく飛びはねながらどんどん増殖していくとりどりの色彩、とりどりのイメージ。”極彩色の混とん”といった感じかな。80号、100号の大作もあります。


f0106896_13385752.jpgf0106896_1344412.jpgくつなさんは、21歳のちょっとパンキッシュなお嬢さん。有り余るエネルギーに、余白を埋め尽くさずにはいられなくなる”衝動”のようなものがヒリヒリと伝わってきました。





【南室】 日比観琢 個展

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f0106896_15213817.jpg日比さんは、花博のパビリオンや、各地のアーケード建設、企業広告など、商業建築・商業デザインの世界のプロフェッショナル。松山の方にはお馴染の大街道と道後のアーケードの設計を手がけたのもなんと日比さんなのです。f0106896_15222683.jpg日比さんが東京から松山に居を移したのは、ほんの3ヶ月ほど前。馬車馬のように働いた全盛期とは違い、今はゆったりと自分のために絵を描かれているそう。題材は 生まれ育った京都の四季や舞子さん、南フランスの風景、横たわるヌードの女性達など。

f0106896_15233232.jpg1986年に描かれた資生堂の整髪料のための広告。手描きとコラージュ。CGでは出せない懐かしい味わい。

by live-art | 2006-04-20 16:10 | 今週の展覧会 | Comments(0)

<企画展>「井出創太郎銅版画展」開催中です

f0106896_16501143.jpg水中のような、川面のような、雲のような、空のような、鳥の翼のような、地図のような、大陸のような、瀬戸内海のような、地層のような、雪解けのような、顕微鏡を覗いたような....etc。 井出創太郎銅版画展がリブ・アートで始まって、5日。展覧会に来て下さった方々が井出さんの作品を色んな風に形容なさるのがとても面白い。そのどれもが”自然界の”風景だったり、現象だったり、動物だったりする。

f0106896_177471.jpg今日は、学芸員の方がいらしたので、そんな話をしていると「銅も緑青も無機物のはずなのに、息をしているみたいですよね」と。たしかに、たしかに。


by live-art | 2006-04-10 17:12 | 今週の展覧会 | Comments(0)

4/6〜4/15 <企画展> 井出創太郎銅版画展

f0106896_1759735.jpg「渡部家住宅」展と同時並行で、今日から井出創太郎さんの個展が始まりました。ミュゼ浜口陽三美術館の企画展「現代版画の交差路」に出品された屏風型の大作(150×159)を始め、渡部家住宅の襖のためのエスキース、今年の7月に開催される越後・妻有トリエンナーレ( http://www.echigo-tsumari.jp/)の出品作<空き家再生プロジェクト〜小出の家〜>のためのエスキースとしての銅版画作品等を展示(販売もしております)。家屋の空間そのものを取り込んだ巨大作品としての渡部家も圧巻ですが、ニュートラルなギャラリー空間での展示も是非覧下さい。

f0106896_1824558.jpg越後・妻有トリエンナーレのためのエスキース。上の2枚は同じ版で刷られています。銅版から派生させた緑青を刷り込む井出さんの手法。緑青の出方をコントロールすることはできないので、同じものは2枚とありません。


f0106896_18141137.jpgf0106896_1832190.jpg現在、渡部家住宅にて展示している襖の<かけら>を額装しました。すべて税込み¥10,000-。これらの売上げは、第2期・第3期実現のための資金にいたします。
by live-art | 2006-04-06 18:41 | 今週の展覧会 | Comments(0)