本日より、戸田勝久・松本秀一2人展がはじまりました。

北室は戸田さんのスペース。軽やかなスケッチ風の水彩画、洒脱でキュートな墨彩画、厚みと奥行きがあり深い余韻を残すアクリル画と、種々の画風の作品が並んでいます。

エントランス入ってすぐの壁には、俳句や詩を題材にした水彩画が。

現代版の俳画をひとつご紹介。 題材は— さまざまのこと思ひ出す櫻かな 芭蕉

「吉祥飛来図」
モダンな掛け軸は戸田さんご自身が大正時代の古布などを使ってデザインされたのだそう。

飛来したのは…なんとシーラカンスなのでした。戸田さんの絵は何度見ても飽きないし、見れば見るほど愛しく、深く、思えてくる、なんとも不思議な魅力があります。

「詩人の家」
人の陰も形もないのに、なにやらとても、気配のする絵。なにやら懐かしい、この感じ。本のページをめくるあの、物語の扉を開いていくときのあの高揚感とか?

<ポエジーのない絵はつまらない。私は絵筆で詩を書きたい。>とは、本展のご挨拶文より。
さて、南室は、松本秀一さんのエリア。

本日は残念ながら、ご用事で松本さんはご不在だったので、写真が載せられなくて残念です。

今回の松本作品のメインはこちら。処女歌集「男の子(をのこ)のやうに、日差しのやうに」。

日本では数少ない手作りの特装制作をされている水仁舎より刊行されたばかりです。布貼りの夫婦箱付きで限定100部の美装本。紙や布等の素材の感触から、レイアウト、活字の文字詰、細部にまで美意識をゆきとどかせた、宝物のような一冊です。

こちらは挿画のために制作された4葉の版画のうちのひとつ。モチーフは松本さんご愛用のインドネシアのなべつかみなんですって(笑)。4葉それぞれ単品(額入り)でも販売しています。

水仁舎刊の戸田さんの、「書籍の旅」は必見。旅好きの戸田さんが巡り歩いた、各地の素敵な古本屋を紹介している、マニア必見、総活版印刷の美本です。その他にもお二人の出版された書籍多数。

松本さんの旧作も多数展示しています。写真はシリーズ「根について」。

メゾチント版画集「光が生まれる刻に」もお見逃し無く。