松山の画廊 ギャラリーリブ・アート最新ニュース

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続・木下晋展

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物語が消えていく。

木下さんの描くハルさんの絵に見入っていると
ハルさんが、そして木下さんご自身が背負ってきた現実の<物語>が、
深い深い静寂の中に消えていくような錯覚にとらわれる。
しかし、その静寂は私が頭の中で反芻する物語よりももっとリアルな感触を持って、
私の中に響いている。物語は消えてなくなってしまったのではなくて、
静寂に姿を変えたのかもしれない。

人間の本質とは何なのか。
ふと、それを思う。

木下晋氏、先ほどギャラリーに到着されました。
”猫が笑ったような”笑顔が、とてもチャーミングです。
実生活でも「猫をきらすとダメ」なんだそう(笑)
...ますます素敵だっ。

木下さんは、今日と明日、ギャラリーにいらっしゃっています。
今日18:00〜の講演会も是非、お立ち寄りください。
# by live-art | 2006-06-03 12:34 | 今週の展覧会 | Comments(0)

6/1(木)〜12(月)<企画展>木下晋個展

f0106896_17242196.jpg梱包の包みをほどき、作品が現れた瞬間、驚き、感激してしまいました。3年ぶりの木下晋氏の個展、本日より始まりました。木下さんは、パレットの色を選るように、濃淡20段階の鉛筆を使い分け、生の深淵に迫るような人物画を描くことで名高い作家。木下さんは、壮絶な人生を歩み、心に深い闇と、それと裏返しの確かな光を秘めた人物をモデルに多くの作品を描かれています。中でも、代表作として圧倒的な存在感を放つのは、日本最後の瞽女として人間国宝に認定されていた小林ハルさんを描いた一連の作品です。そのハルさんも残念ながら2005年の4月、105歳の長い生涯を閉じられました。f0106896_1724508.jpg 木下さんの描かれるハルさんの表情には、「奢り」がありません。社会福祉の概念なんてまだなかった時代の片田舎に、盲目に生まれ、瞽女として虐げられながら、(時にはシャーマニックに祭り上げられもしたという)壮絶な運命をたどった女性であるのにも関わらず、木下さんのフィルターを通して描かれたハルさんには<自己憐愍>という「奢り」すら感じられないのです。そして、木下さんの、目を見張るような緻密な筆致の集合も、その常識外れの才や執念に溺れることなく、ぶれることなく、ハルさんが亡くなる直前まで、その姿が宿す静寂を描き切っていました。

「生の深淵」という言葉が今更ながらに蘇ります。”次生まれてくるならば、何に生まれてきたいかと”木下さんがハルさんに尋ねた時、ハルさんはこう答えたそうです。”例え、虫ケラでもいいから、「目明き」に生まれたい”。


南室にて木下さんが挿絵を担当された絵本「ハルばあちゃんの手」(福音館書店刊)の原画展を開催しています。また、6/3(土)夜6:00〜からリブ・アート北室にて講演会「手に想う」を開催致します。是非、ご参加下さい。(http://liveart25.exblog.jp/i3)

# by live-art | 2006-06-01 17:32 | 今週の展覧会 | Comments(0)

木下晋 氏 講演会 のご案内


f0106896_17342641.jpg6/1/木〜6/12/月(※7日定休)の企画展「木下晋 個展」に際し、講演会を催します。テーマは、昨年5月に木下氏が挿し絵を書かれた、絵本「ハルばあちゃんの手」にちなみ<手に想う>。小さくて柔らかな乳幼児の手、ケーキを作る職人の手、将来を誓い合う若い男女の固く握られた手と手etc...「ハルばあちゃんの手」には、表情豊かな<手>が登場します。濃淡20段階のえんぴつを色を選るように使い分け、人間の生の深遠までも描き出す、稀代の画家の目が、日常や制作の中でとらえた様々な<手>にまつわる講話をお楽しみ下さい。

テーマ:「手に想う」
日 時:6月3日(土)pm 6:00〜
場 所:リブ・アート北室
会 費: 1000円 
※講演会後、作家を囲んでの軽いワインパーティを予定しています。
※人数制限がありますので参加の方は、念のため電話かメールにてご連絡下さい。
問/ tel : 089-941-9558  nmail :live-art25@w4.dion.ne.jp

■個展に寄せて—木下晋
「手は口ほどに物語る」42年前初めて京都広隆寺の弥勒菩薩像を見たとき、微笑を支える手の表情に悟りの極地を想う。又、母が事故死する一週間前、合掌姿を頼んだ。いつもなら「縁起でもない!」と断るのだが、その日は何も言わず自身を両手で包むが如く、消え入るかの様に、合掌する。その瞬間、不吉にも母の死を予感した。平成元年、山形の湯殿山注連寺天井画「天空之扉」は本尊の胎蔵界大日如来をイメージして巨大な合掌図を制作できたのも、母の合掌姿を見ずしてあり得なかっただろう。そして今回出品している『ハルばあちゃんの手』(福音館書店刊)絵本原画は手の表現で綴る人生の大河ドラマなのである。
# by live-art | 2006-05-25 17:36 | 過去の企画展 | Comments(0)

5/25〜5/30  まいまい展

f0106896_1642019.jpg斉美高校芸術科時代のクラスメート11名が集い、2年に1度、定期的に開催している展覧会。かたつむりのようにあせらず、楽しみながらのんびりマイペースで楽個性豊かな作品を作りつづけていくこと、がまいまい展のモットーです。

f0106896_16491315.jpgf0106896_16485745.jpgまいまい展は、各地の大学を卒業した後に、地元に戻ってきた同級生7人で始めたのが最初だったのだとか。今年でなんと18回目。年月にするともう30年以上。大学卒業後と言えば、モラトリアムを終え、これからが人生の本番!というタイミング。「当初はこんなに続くとは思っていなかった」「皆とまいまい展をすることが、毎回、本当にたのしい」
f0106896_1682762.jpg普段はそれぞれの海を航海している船が、お互いの無事を確かめあうために2年に1度落ち合う港。そんな感じでしょうか。出品作品は、水彩画・陶芸・ボード織・刺し子・日本画・油彩・野蚕(まゆ)の灯etc...今回は、大西輝美・品川綾子・西原菅子・櫨川公子・藤本節子・升田佐栄子・松永愛子・三瀬瑞穂・光田陽子・三浦ひろみ・吉安まり子 以上11名の方が出品されています。
# by live-art | 2006-05-25 17:16 | 今週の展覧会 | Comments(3)

5/18〜23 北/布花達のおしゃべり展  南/藤井哲信ガラス展

北室:布花たちのおしゃべり展vol.4〜馥郁と咲くばら〜

f0106896_16101149.jpg北室は今、お花畑と化しています!「アトリエ花葉菜」を主催する布花作家・加藤直子さんと、教室の人達による<布花たちのおしゃべり展>。今回で、もう4度目の展覧会。今回はウエディングのスチュエーションを意識したコーナーも。

f0106896_16534589.jpgf0106896_173448.jpgこの繊細で優しい布花を作るのにかかる手間は相当のもの。小さなつぼみの一つ一つ、花びらの1枚1枚、葉っぱの1枚1枚を思う形に切り抜いて、着彩していくところから始めるのだとか。淡くやわらかで暖かく、日だまりの甘い匂いを思い起こさせるような加藤さん達の布花は、本当に息をしているみたいに豊かです。

f0106896_17303759.jpg常時、布花作りの体験ができます。ちなみに写真一番手前が加藤直子さん。私のような小娘が(これも大抵図々しいか(苦笑))言うのもなんですが、いつ見ても可愛らしい女性。しかし、沢山の生徒さんに慕われて、これだけの展覧会を続けて来られたそのパワーとバイタリティには脱帽です。可憐なだけではできませんって!



南室:<企画展>藤井哲信ガラス展

f0106896_17595150.jpg徳島県在住のガラス作家藤井哲信さんの2年ぶりの個展。哲信さんの制作は、可憐なレースガラスと深いブルーが印象的。青いガラスはよくあるけれど、こんなに落ち着いていて深みのあるブルーにはめったに出会えません。(※参考 http://liveart25.exblog.jp/i3)

f0106896_18195922.jpgこの魅力的なブルー、実は「阿波藍の藍色」をお手本にしているのだそう。お話を伺ったところによると、哲信さんのお母様は藍染め作家さんなんですって。藍色は心にしっくり馴染む色。静かにゆっくり浸透していく色。それだけにきっと微妙で難しい。幼い頃から、藍の美しさ、深さに触れて育ってこられた哲信さんだからこそ出せる色なのかもしれません。ベネチアングラスの手法の一つ、レースガラスの繊細さにもため息が出ます。

f0106896_18491540.jpgほか、ユーモラスな花器やビアグラスもお見逃しなく。哲信さん独特の、ちょっと変で楽しい形。私はすでにはまってしまっています.....


# by live-art | 2006-05-18 17:56 | 今週の展覧会 | Comments(0)